2013.3.31 第10回記念ブラジル青少年フェスティバル2013

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「第10回記念ブラジル青少年フェスティバル2013」に関する手記

              特定非営利法人
              NGOブラジル人労働者支援センター(Trabras)
                        理事長 加 藤 仁 紀                                         

去る3月31日(日曜日)午後、群馬県大泉町「大泉文化むら大ホール」でブラジル青少年フェスティバルが開催されました(主催・NPO法人大泉国際教育技術センター理事長高野祥子氏)。在日ブラジル人学校の児童・生徒の素敵なダンスや歌が披露され、国際的に活躍するボサノバ歌手、日系ブラジル人小野リサさん(2世、サンパウロ出身、10歳で来日、東京在住)の特別出演があり、1000人超す満席の在日ブラジル人観客に大きな感動を与えました。リサもブラジルコミュニティの存在を初めて身近に知り、多くの同胞に囲まれての演奏は自身感慨深いものがあったとのことでした。スタッフとともにギターを奏でながら「イパネマの娘」や古いサンバの名曲も含め十数曲を途切れなく歌い、語り、30分の演奏予定が70分に延長されるほどの熱演でした。哀調を帯びたポルトガル語の歌声に聴衆は酔いしれ、「ボサノバは景色を見せる様な美しい音楽である」、「日本に来た当初は苦労もあったが、大変なときは音楽に救われた」などと語る彼女の目も潤んでいるように見えました。地元邑楽高校の生徒との合同演奏で幕を閉じました。

このフェスティバルは、リーマンショック後、大震災・原発事故もあり開催が中断されていましたが、在日ブラジル人学校の子ども支援活動に携わっている私たちがリサに事情を説明し、ボランティア出演をお願いしたところ、彼女が快諾して実現したものです。企画準備中の昨年10月、日本で最初にブラジル音楽の歴史を切り開いたといわれ、リサにボサノバを手ほどきした最愛のお父上小野敏郎氏を亡くされました。その悲しみを乗り越え、在日ブラジル人を癒やし、励まし、地域の日本人にもブラジル音楽の素晴らしさを伝えてくれたリサに対し深く感謝し、敬意を表する次第です。(終わり)

*尚、2013年4月19日付け「サンパウロ新聞」にも本件の記事が掲載されております。
下記サイトからご覧ください。

http://www.saopauloshimbun.com/index.php/conteudo/show/id/12959/cat/105

 

 

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