上を向いて歩くブラジル人

  楽天的な国の世界チャンピンはブラジル――。HSBC銀行がこのほど世界17カ国で行った「年金生活の将来」に関する意識調査でブラジル人の楽天的な性格が改めて浮き彫りになりました。「退職後は経済的に困窮すると思うか」との質問に対して「Sim(Yes)」と答えた人の割合はわずか17%。この数字は調査対象国の中で最も低いものでした。
いま経済好調の国です。この勢いがずっと続くというような錯覚があるのかもしれません。しかし、調査結果について分析した専門家の見方はシビアでした。

 「ブラジル人の最大の欠点のひとつは計画することができないこと。それが将来に対する楽天的な態度につながっている」
「楽天性はブラジル人の文化的な特徴で、これまでのこの手の調査すべてにその特徴を確認できる」
「ブラジル人も計画性の大切さを認識しているのだが、訓練に欠けている」

 「計画性」と聞いて思い当たるのは私が暮らしている州の政府のことです。毎年5,6月は公務員ストの季節で警官、教員、バスの運転手らが先週から賃金体系の見直し等を要求していますが、多額の債務を抱えている政府側は「人件費をこれ以上増やせない」と主張。それどころか、「方々の予算を削減しないと9月以降の給料を払えない可能性もある」と示唆しています。3ヶ月先のことさえ今後の展開次第という始末。お上も国民もそろってやや計画性に欠けているのかもしれません。
とはいえ、高揚感が漂っているのは確か。4月に世界24ヶ国で行われた別の調査で「この先6ヶ月の景気が現在より良くなる」と考えている人の割合が最も多かった国がブラジルで、72%にも上ったそうです。対して日本はわずかに9%――。計画性はなくても街行く人の7割が上を向いて歩いているブラジル。国民の9割以上が下を向いて暮らしている国からみればその楽天思考がうらやましく映ります。

(リオグランジドノルテ州ナタル市にて 2011年6月1日 小林大祐)
 

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