ブラジル大統領選

alt10月3日の投票日が近づくにつれ、街もメディアも徐々に選挙に「占拠」されています。日本のように辻説法(街頭演説)するような“勤勉”な候補者はほとんどいないため、実物を見る機会は残念ながら滅多にありませんが、通りのあちこちで候補者の「名前と顔写真」を見かけることが多くなってきました。


8月19日からは大手メディア各社で無料広報の放送がスタート。それに伴い大統領選挙の有力候補3氏による最初の公開討論(生中継)も行われました。今後本番まであと4回公開討論による直接対決が予定されています。


討論は3時間にも及び、翌日のメディアには仔細な報道と徹底的な評論が確認できました。また今回はインターネットでも同時中継されたため、これまでにないほど多彩な階層・年代・地域の人々が見守った(アクセスした)ことになると思います。実際、ネットを通じた同時中継には日本を含む世界127カ国の人々が討論の様子を眺めていたそうです。


それと同時にあまたのブログやツイッター等のサイトでリアルタイムに反応が起こったということですから、まさに歴史上「ネット選挙元年」の年とも定義されることになるでしょう。こうして2010年、ブラジル第40代大統領を決める節目の戦いも残すところ1ヶ月、ますます白熱していくことと思います。


日本のニュースを確認しますと、与党民主党の代表選がらみの話が目立っているようです。当然ながら国民はあくまで「政局傍観者」の立場なので、こうしたときに疎外感を感じてしまうのではないでしょうか。もちろんどちらの制度も長所・短所があり、優越を判断できません。ただ、国民が“直接”参加して盛り上がっているブラジル選挙の喧騒を目の当たりにするとき、うとましくも、どこかでうらやましく思ってしまう自分がいます。

 

リオグランジドノルテ州ナタル市にて 2010年8月29日 小林大祐

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