日常生活に関する事例


事例001ジレイ 001 パスポートを返してくれない(愛知県豊橋市、男性28歳)
相談ソウダン 来日直後に勤務成績不良という理由で解雇されたが、派遣会社の社長が立替えた渡航費用を全額返すまで預かったパスポートを返してくれない。社長は、自分はヤクザだと言って脅かすので話しにも行けない。パスポートがなければ次の仕事を探せない。
対処タイショ 直ちに豊橋警察に通報して善処を要請。刑事が民事不介入を主張したがブラジル人の窮状を説明・説得。刑事が社長に電話、翌日返却するとの確約を得たが、恐くて会社に行けないとのこと、再び電話してもらい当日中に警察署に届けられた。
事例002ジレイ 002 ビザ更新時に高額な手数料を取られる(兵庫県神戸市、女性45歳)
相談ソウダン ビザ更新は自分でやりたいが、派遣会社がやる決まりになっていて不当に高額な手数料を払わなければならない。
対処タイショ 有給休暇を与えてない会社。ビザを自分で更新したい人には、有給休暇を与えて自分で取らせて欲しいと申し入れたところ会社は渋々受け容れた。
事例003ジレイ 003 5歳の息子を幼稚園に入れたい(神奈川県綾瀬市、女性27歳)
相談ソウダン 近所にある幼稚園を探して欲しい、また入園手続も教えて欲しい。
対処タイショ 市役所の担当部署に電話で予め事情を伝え、調査を依頼した結果、私立幼稚園を紹介された。幼稚園に事前に連絡を入れ本人が子供と出向いて手続完了。
事例004ジレイ 004 出産育児一時金のもらい方(富山県富山市、女性30歳)
相談ソウダン 出産間近だが、出産すればどんなお金がもらえるか、またもらう方法を知りたい。現在約2年間、国民健康保険に加入している。
対処タイショ 市役所の保険年金課で手続すれば「出産育児一時金」42万円がもらえる。平成21年10月からは出産前に病院と契約すれば、「直接支払請求制度(以前のように立て替える必要がない)」を利用できる。42万円を超える費用は自己負担、それ以下の場合は全額をもらえる。「児童手当」は所得制限等があるが第1子は月額1万円など(平成22年4月以降は、「子供手当」として所得制限無く月額1人一律1万3千円が支給される)。
事例005ジレイ 005 交通事故の後遺障害(山梨県甲府市、男性35・女性31歳)
相談ソウダン 運転中追突され、夫婦ともに鞭打ち症になった。自分たちの代わりに加害者の損害保険会社と交渉して欲しい。
対処タイショ 損保会社は、後遺障害を認めなかったが、異議申立を行い、夫婦共に後遺障害14等級を認めさせ相応の損害賠償金を支払わせた。
事例006ジレイ 006 水漏れ事故(岐阜県大垣市、女性40歳)
相談ソウダン 一戸建てを借りて入居後、3回にわたり連続して異常に高額な水道料金(2ヶ月ごとの請求が各約5万円)が請求されたため、市の水道課に苦情を言い調査を依頼したところ、専用庭の撒水栓がしっかり締まってなかったためと判明。全額自分に支払い義務があるか。
対処タイショ 撒水栓を開いたまま建物を引き渡した所有者と不動産屋に管理責任がある旨を説明し、善処を求めた結果、不動産屋が一部を負担することになり、残りは本人が長期分割で支払うことを市が了承。
事例007ジレイ 007 住宅ローン契約の行き違い(埼玉県行田市、男性50歳)
相談ソウダン 工務店より住宅ローンを利用して一戸建てを2000万円で購入したつもりだったが、工務店から2300万円で売ったからその差額300万円を支払えと言われて困っている。ローン手続は、工務店に任せていたが、頭金は500万円、融資限度額は1500万円だった。
対処タイショ 工務店の社長の説明によると物件価格は2300万円だったが、融資限度額内の借入では不足する。そこで借入と同時にリフォーム代金という名目で別枠で同一金融機関から新規に300万円の融資を受けさせ、代金総額2300万円を調達した。これを契約時に通訳を通して本人に説明したという。社長曰く、これまでこの方法で資金不足の多くのブラジル人を助け販売してきたがトラブルは初めてと主張。
登記簿謄本、ローン手続書類等を点検。社長に対し「説明が不十分でブラジル人は理解してない。金融機関に対し、社長が販売価格を2000万円と説明しているので本人もそう思い込んでいる。リフォーム代金300万円は自分の手元資金に借りてくれたと理解している。価格が2300万円という明確な表示がどこにも無い。」と言ったら、社長が「訴える」と怒ったがそれまで。
事例008ジレイ 008 育児休業給付金(群馬県伊勢崎市 女性 31歳)
相談ソウダン 現在産後の休暇中。休暇後は職場に復帰することになっているが、育児休業給付金について知りたい。
対処タイショ 雇用保険加入者が、出産の58日目から遡って、2年間に賃金支払日が11日以上ある月が12ヶ月以上あれば、子供が満1歳になるまで受給することができる。金額は、直前6ヶ月間の平均賃金の50%(2010年4月改定)。満1歳になっても保育所が空いてないなどの特段の事情があれば受給期間を最長6ヶ月間延長してもらえる。詳しいことは申請窓口である所管のハローワークであるいは会社を通じて確認すること。夫も同様に貰う権利がある。
事例009ジレイ 009 警察に拘留された息子が心配(愛知県春日井市、女性46歳)
相談ソウダン 息子が財布を盗んで鶴山警察署に逮捕され、既に8日間拘留されている。通訳も弁護士もいない。
対処タイショ 直ちに通訳と弁護士を紹介。
事例010ジレイ 010 退職相談(愛知県刈谷市、男性46歳)
相談ソウダン 勤務時間が不規則なので10年以上勤めた会社を辞めたい。辞めた場合に有給休暇や退職金は貰えるか。
対処タイショ 有給休暇は辞めた後は貰えない。残っている有給休暇を全部取りたければ辞める前に残日数を確認、暦で逆算し、その分を事前に会社に連絡してとらなければ取り切れない。退職金は就業規則等の退職金規程に記載されているか、記載されてなければ権利として要求することは難しい。
事例011ジレイ 011 子供が集団登下校グループに入れてもらえない(山梨県南アルプス市、女性37歳)
相談ソウダン 団地の2階に住む小3の娘(父親ペルー人、母親ブラジル人)が、集団登下校グループから外され不登校になっている。5階に住む外国人嫌いの日本人の息子(小6)が中心になって差別しいじめる。
対処タイショ 直ちに学校長に電話連絡をして緊急解決を依頼。未解決の場合は、教育委員会に通報すると告げたところ同校長が当日夜、5階の日本人宅を訪問、説得し解決。翌日から集団登校グループの輪に入れた。
事例012ジレイ 012 いじめられている日本人を助けるブラジル人(岐阜県関市、女性50歳)
相談ソウダン 工場で日本人の係長が、言語障害者(日本人男性)を毎日殴っている。今日も殴られて顔面が紫色に腫上がっているが、被害者は我慢しているだけ。誰も助けられない。何とか助けてやって欲しい。
対処タイショ 関警察署に通報をして救出依頼。警官がすぐ工場に踏み込んで本人と係長から事情聴取。会社と加害者は「本人が自分で転んだ」と嘘を言い、本人は「今日初めて殴られた」と言い、証言する者はいなかった。最後に本人が、「職を失いたくないから訴えるつもりはない」と言ったため、係長に対し、「厳重注意した」と警官から報告あり。
事例013ジレイ 013 預けておいた印鑑等を悪用され、知らぬ間に連帯保証人にさせられたブラジル人(長野県諏訪市、男性38歳)
相談ソウダン 妻がブラジルに帰国した後、突然大手クレジット会社から妻宛に車両購入のローン代金支払請求書が届いた。知らぬ間に妻が連帯保証人にさせられていた。
調べたら、妻が帰国前に勤めていた派遣会社のブラジル人担当者が、在職中に妻が会社に預けていたパスポートや印鑑を悪用、ブラジル人社長が経営する販売代理店との間に交わされた契約書の連帯保証人欄に妻の署名・押印があった。担当者が行方不明となり、支払いがストップしたため妻に請求書が届いた。調べたところ社長も逮捕されていて妻が連帯保証人であることを承知していたらしい。
対処タイショ メーカーの販売店に連絡、調査を依頼すると同時に諏訪警察署に通報。販売店に対し悪徳販売代理店に関わる管理責任を追及。同時にクレジット会社に対し、連帯保証契約の取消と請求の撤回を求めた。なかなか応じなかったためやむなく所轄官庁、関連業界団体等に通報、最終的に撤回させた。
事例014ジレイ 014 詐欺被害に遭う(茨城県牛久市、男性37歳)
相談ソウダン 無料広告雑誌で募集中のXTV(ブラジルテレビ映像)販売のセールスマンに応募。インターネットを利用、約3ヶ月間で100人の顧客から契約を取ったが、以後代理店を経営する日本人社長と連絡が付かなくなり、手数料が貰えない。
対処タイショ 会社に何度電話しても通じない。騙されたようなもの。すぐその仕事を辞めるよう勧告。本人は、将来手数料を貰えるかも知れないから警察への通報はして欲しくないとのことでケリ。
事例015ジレイ 015 誤認逮捕されたが(山梨県甲府市、男性16歳)
相談ソウダン 誤認逮捕され少年鑑別所等に31日間収容された。後日、甲府家裁は、「非行事実なし」として不処分決定。しかし、全国紙やテレビのワードショーで取り上げられたため傷付いた自分と家族の名誉回復を求めたい。
事件当日、韮崎警察署が小学校で防犯ブザーの使い方を指導、帰宅途上の小1女児が、習い立てのブザーを鳴らしてしまい、聞き付けた小2女児が、携帯電話で犯人を探し回り、バイクで近くを通った少年の後ろ姿を写し、警察に届けたことが発端。夕刻警察官が少年宅を割り出し署に連行して自白を強要。小1・2女児は、犯人逮捕のお手柄として警察署長に表彰され、教育委員会が配ったブザーの効果、警察の防犯教室の成果としてマスコミで反響を呼んだ。
対処タイショ 不処分決定(無罪)を勝取り、義憤を覚えている担当弁護士と協議したが、法的には対処方法がない、国家賠償も請求できないとのこと。マスコミ関係者とも面談したが、これを取材し報道すればニュースにはなるが、本人が一層傷付くとのこと。本人も名誉回復を断念した。
事例016ジレイ 016 冤罪で書類送検(神奈川県海老名市、男性30歳)
相談ソウダン ブラジル人社長と出張先の名古屋市内で飲食後の午前3時頃、駐車場に戻った際、誤って出庫の開閉バーを右手で払い除けたところバーが折れた。お詫びし、弁償しようと思い、管理室を訪ね、管理人に事情を説明しようとしたが、ドアを開けてくれず、気になったが止むを得ず社長と帰路に就いた。約1ヶ月後名古屋中警察署から社長に電話が入り出頭要請を受けたため同行を求めてきた。
対処タイショ 出頭前に警察署に電話で事情説明、本人、社長と3名で出頭。到着後、複数の刑事が約10cmの分厚い調書を提示、心配しないでよいと言いながら本人の顔写真を正面・左右から撮影。「ご苦労様」、「申し訳ない」を繰り返し、何故か頭を下げる、そこに現れた駐車場管理会社社長も深々と頭を下げて謝罪。
管理人がドアを開けず、通報した理由を厳しく追及したところ、警察の指導と、会社のマニュアルで深夜外国人等がトラブルを起こした場合、対応が厳禁とされている、ご迷惑をかけたと。担当刑事に対し、誤って壊したのだから罪にならない、弁護士と協議する旨厳重抗議。刑事は書類送検だけで済ませると弁明。すると突然ブラジル人の社長と本人が「これでいいです」と言い出しケリ。ビザ更新などを非常に恐れていた。
事例017ジレイ 017 奨学金のもらい方(愛知県刈谷市、男性47歳)
相談ソウダン 高2娘が大学進学志望。奨学金は貰えるか、その手続を教えて欲しい。
対処タイショ 大学入学後でも奨学金の申請はできるが、受験前・入学前に奨学金受給を確定しておけば安心。高3になったらすぐ担任に相談すれば手続ができる。2人の連帯保証人が必要、うち1は日本人と決められているが、見付からなければ両親だけでもよい。
事例018ジレイ 018 尋ね人(ブラジル・サンパウロ、女性50歳)
相談ソウダン 約20年前、ブラジルに駐在していた妻子ある日本人との間にできた2人の子供がいる。買って貰った家の固定資産税が払えなくなり、差押えされそうになっている。音信不通だが、会社名と家の電話番号を知っている、行方を探し、連絡を付けて欲しい。群馬県伊勢崎市の女性を通じて相談。
対処タイショ 会社に電話を入れたがその日本人は既に退職。それ以上の情報は貰えず。自宅に電話をすると、妻らしき人が「もうここにはいない」と言うだけ。ブラジルにその会社の現地法人が現在も存在することを確認。現地法人を通じて直接訴える方が効果的と本人に通知。その後、連絡無し。
事例019ジレイ 019 交通事故(静岡県静岡市、男性32歳)
相談ソウダン 追突されケガ。代わりに損保会社との損害賠償交渉をして欲しい。
対処タイショ 損保会社が後遺障害なしと認定。異議申立で14等級認定を得て賠償金を得た。損保会社が病院に治療打ち切りを督促したことが分かり抗議。損保会社が謝罪、賠償金額がアップ。
事例020ジレイ 020 進学情報(埼玉県さいたま市、男性47歳)
相談ソウダン 高3息子が、理科系大学進学志望。子供は学校や塾で情報を得ているが、親として何も知らない。日本の受験情報、大学の評価、奨学金情報等に関する情報を得たい。
対処タイショ 一般的情報を伝え、関東周辺の大学情報を提供。
事例021ジレイ 021 尋ね人(ブラジル・ベロオリゾンテ、男性60歳)
相談ソウダン 約20前、ベロオリゾンテに観光旅行で立ち寄った日本人が、約2000坪の土地と約200坪の平屋建ての家を買い、現地の日系人と無償の賃貸借契約を交わしたまま音信不通となった。日系人は、その日本人は既に亡くなっていると思うのでその不動産を処分して遺族に売却代金を渡したい。遺族を探して連絡を取って欲しい。在日ブラジル人を通じて現地の弁護士からの相談。
対処タイショ 契約書のコピーの住所は、都心のビルの9階。訪ねたところそのビルは、既に取り壊され、新しいビルが立っていたため所在不明。登記簿謄本を確認し、ビル所有者の代表取締役に手紙をだしたが返事がない。住所を訪ねたが行方知らず。ビルが所在した神田警察署に調査を依頼して約3ヶ月後、日本人はある事件に巻き込まれ自殺していたことが判明。警察署曰く、数回遺族に問い合わせたが「遺族は、不動産処分の件について返答を渋っている」とのことで現在に至っている。
事例022ジレイ 022 労働基準監督署にいる危険な通訳(Y県、女性28歳)
相談ソウダン Y県県庁所在地のK市の労働基準監督署のブラジル人女性通訳者HFさんからの電話相談。自分の身内が勤め先で有給休暇をもらえず困っている。労働基準監督署には来ない方がよい、TRABRASに相談に行くように言ったのでよろしくと。
対処タイショ K市の労働基準監督署(ハローワークとかけ持ち)にはMMさんとHFさんという2人のブラジル人女性通訳がいる。うちMMさんが会社側に通じていて相談に行くのは危険という噂が拡がっていて、これまでもTRABRASに数回苦情が寄せられていた。労働基準監督署に相談に行くと何故かその日のうちに相談内容が漏れ、相談者の会社に伝わっているという。MMさんが複数の会社のブラジル人担当者と「親しい」関係にあるからという。HFさんの意味するところはすぐ理解できた。
このことに関し、以前、TRABRASとして労働局に苦情を言い、善処するよう申し入れたが、労働局は「あり得ない。証拠もない。」と反論するばかり。厚生労働省本省の担当部局に厳重に注意を促した約半年後にその通訳は交替した。
事例023ジレイ 023 知らぬ間に連帯保証人(兵庫県尼崎市、男性41歳)
相談ソウダン 友人から新車購入ローン代金(200万円)の連帯保証人を依頼された。断ったが「とりあえず連帯保証人の資格があるか無いかだけを審査するためだけの書類」と言われ、読めない日本語の書類にサインをしてしまったが、それは連帯保証契約書そのものだった。約1年後、友人が失職し支払いが止まったため、クレジット会社から連帯保証人に請求書が届いた。
しかも代金は300万円となっている。明細書を見ると当初無かったはずのサンルーフとかカーナビ等の装備代金も計上されている。思えばその友人がサンルーフを装着した新車で走っているのを見かけたことがあるが、それが自分が連帯保証した車とは全く気が付かなかった。友人は行方不明になっていた。
対処タイショ 書類を点検すると「請求書」と「車両売却処分承諾書」であった。承諾書は、会社が既にその車を引き取っており、それを処分するため、連帯保証人に同意のサインを求めるものであった。
クレジット会社に事情を説明し、連帯保証人になった覚えはないこと、装備についても全く知らないし、処分後の未払残高は払えないと主張。勝手に処分した場合は、責任を持てない。騙されて連帯保証人になったのだから先ず警察に訴えるので待って欲しいと申し入れた。結局、クレジット会社も売却処分さえすれば、いわゆる損切りでそれ以上の未払残高を請求する積もりはなかったらしく、承諾書にサインすれば「全て解決」との確認をとって署名、落着。
事例024ジレイ 024 危ない取締役就任(静岡県御殿場市、男性59歳)
相談ソウダン 10年間派遣社員として働いてきたが、2年前、派遣会社が子会社を作り取締役にさせられた。さいきん仕事が少なくなったという理由で社長からクビと言われた。派遣社員の前借金を立替えている。
対処タイショ 登記簿謄本を取り寄せ取締役就任の事実を確認。
本人は、取締役の権限、義務、責任 の重さなども何も知らなかった。資金繰りなどの責任だけ持たされて給料前借金を個人的に立替えさせられていた。
取締役を解任されたのであるから本来は、任期の残り期間の報酬を得られるはずであるがそれは全く期待できない。
直ちに立替金を返してもらい、取締役退任の登記手続をしてもらうようにアドバイス。その後、立替金を精算してもらい、登記手続完了を見届けて帰国。
事例025ジレイ 025 年金加入(群馬県前橋市、男性62歳)
相談ソウダン 日本で生まれ、2歳で渡航した日本人デカセギ。59歳から約3年間社会保険加入。日本の年金はもらえるか。
対処タイショ 年金受給資格を得るためには25年以上の加入期間が必要。ただし、外国に居住し、年金を納められなかった人は、外国に居住した期間を空期間として通算されるため25年の期間は満たされ取得可能。ただし、納めた額は少ないので受給額も少ない。本人に同行して所管の社会保険事務所に出向き、約1時間で手続完了、受給資格獲得。
事例026ジレイ 026 生活保護適用(埼玉県川越市、男性50歳)
相談ソウダン 単身者。椎間板ヘルニアで仕事に就けない。無収入で蓄えもない。家賃も約1年間滞り、退去を求められている。
対処タイショ 市役所に同行。事情を説明し、その場で手続完了。
事例027ジレイ 027 離婚調停取り下げ(東京都台東区、男性46歳)
相談ソウダン 義理の息子(妻の連れ子)と仲悪く喧嘩。妻が息子に強く言われて別居、家庭裁判所に離婚調停申立。本人は別れたくないし、妻も本心は同じと思う。
対処タイショ 通訳を入れ調停が3回繰り返されたが、夫婦間の仲がとくに悪いわけではないから申立を取り下げるよう本人が妻を説得。
日本で離婚が成立したとしてもブラジルの裁判所で手続をしない限りは有効に成立しないことを説明、妻が申立を取り下げ
事例028ジレイ 028 東京入国管理局で収容中のベトナム人を助ける(東京都品川区、男性25歳)
相談ソウダン 罪を犯し国外退去処分に付され東京入管収容中の日本語が話せるブラジル人からの電話相談。同じく収容されていて日本語が話せないベトナム人の悩みごとをやはり収容中の日本語が分かるベトナム人を介しての相談。
栃木県の会社に勤め、会社がなかなかビザ更新をしてくれず期限切れ。その翌日、会社がそのベトナム人を不法滞在で通報、入管に強制収容された。会社の社長が預かっていたこれまでの給料70万円を受け取ってない、何とか払って欲しい。
対処タイショ 法務省本省入管局に人権問題として通報。会社名と住所を知らせ退去処分前の給料受取実現の協力を相談。協力を得て収容所内の警備員に通報。警備員がこのブラジル人を通訳として会社に連絡、事情を質した結果、当夜中に社長が給料の半額を持参、翌日残り半額を持参して解決。ブラジル人が「ベトナム人から感謝された」との報告あり
事例029ジレイ 029 国民健康保険税滞納と給料等差押え(千葉県N市、男性45歳)
相談ソウダン 5年前の国民健康保険税(約10万円)の納付を怠っていたら、延滞金約10万円と合わせ計20万円の滞納金額を徴収するとして会社に給料等差押調書が届いた。
対処タイショ 本人に代わり市収納課に電話で事情を確認、同時に「本人が督促状を理解できなかった」旨を説明し謝罪。その日の午後、本人に全額現金を持参させる旨連絡したところ、直後に収納課長から電話が入り、「協力に感謝する」、「今回は延滞金を免除する」と。
事例030ジレイ 030 息子の交通事故死と保険金(三重県四日市市、男性46歳)
相談ソウダン 約1年前、夜間無免許で息子がバイクで走行中、トラックに撥ねられ即死した。加害者の意見によると警察は息子が赤信号を無視して交差点に突っ込んできたことが事故の原因という。真実は分からない。近隣のボランティアが加害者の保険会社に請求手続をしてくれたらしいが、いつまで待っても何の連絡もない。誰も助けてくれない。毎日夫婦で泣いて暮らしている。
対処タイショ 本人が持っている僅かな断片的な書類を手掛かりに、現場調査、検察庁での聞き取り、病院担当医との面談を通じて全体状況を把握。
 加害者の損害保険会社名、所在地、電話番号、担当者等を現地で確認、自賠責保険金の請求手続の扱いを確認したところ手続は完了していた。
 何故支払いが遅れているかを尋ねたが、明確な回答は得られず。外国人差別ではないかと詰問、直ちに保険金を支払うよう申し入れたところ翌日3000万円が本人銀行口座に振り込まれた。
 無免許、赤信号のため任意保険適用は困難だったが弁護士を紹介。
事例031ジレイ 031 物損事故(群馬県太田市、男性42歳)
相談ソウダン 以前買った中古車を運転中、横合いから相手の車にぶつけられ自分の車が大破。相手方保険会社の査定によると車両価値が数万円にしかならず、全額弁償してもらっても車を買えない。
対処タイショ 加害者が隣接する市の職員(課長)だったので本人にその市に出向かせ直接課長と話し合わせた結果、保険会社から払われる金額と以前購入した価格の差分を払ってもらえることで和解。カタコトの日本語で交渉したことがむしろ幸いしたかも知れない。
事例032ジレイ 032 交通事故の賠償金支払い(栃木県大田原市、男性38歳)
相談ソウダン 妻が、無保険車で運転中に接触事故を起こし、相手方の保険会社から損害賠償金の請求を受けたが金額が高すぎる。少しでも減額して欲しい。
対処タイショ TRABRASが、「このブラジル人はお金がない。半額なら分割で払わせることができると思うが、それ以上は無理。無理に言うと一家でブラジルに引き揚げる可能性もある。」と説明、相手方受け容れ。
事例033ジレイ 033 交通事故の略式命令に不服(栃木県佐野市、女性34歳)
相談ソウダン 自動車運転過失傷害罪で起訴され、簡易裁判所から略式命令で多額の罰金を命じられた。自分は、青信号で交差点に入ったが、相手の女性が左から出てきたため、相手の乗用車前部に衝突、女性に右肋軟骨損傷等のケガをさせた。相手も青赤信号で交差点に入ったと主張、それが認められて負けた。悔しい。
対処タイショ 2週間以内に不服を申立てれば正式裁判になる。本人を簡易裁判所に出向かせ、国選弁護人を選任してもらった。金はかからない。勝てるか、罰金の額を減らしてもらえるかは裁判だから分からないと伝えた。結果の報告はない。
事例034ジレイ 034 産前産後の休業(埼玉県川越市、女性25歳)
相談ソウダン 妊娠した。産前産後の休みはどの位とれるか。
対処タイショ 産前は6週間、産後は8週間とる権利がある(多胎妊娠の場合は各14週間)。医師の診断次第で産前6週間よりも前から休むこともできる。
妊娠中は軽易な作業に変えてもらうこともできる。
     就業規則等に産前産後の有給の規程が無い限り無給。
事例035ジレイ 035 病院に電話通訳(新潟県長岡市、女性34歳)
相談ソウダン 昨夜から頭痛、めまい、吐き気がして病院にきたが、通訳がいない。
対処タイショ 病院の受付事務員と内科の看護士に電話で症状を伝え無事受診終了。
事例036ジレイ 036 永住許可申請の書類作成(愛知県豊明市、男性38歳)
相談ソウダン 永住権を取得したいが「理由書」の書き方を教えて欲しい。
対処タイショ 本人と家族の「永住権取得動機」とこれまでの日本での仕事や生活ぶりを聴取、見本を作成。
事例037ジレイ 037 帰化申請の書類作成(三重県津市、男性48歳)
相談ソウダン 来日後14年。ブラジル人の妻と日本生まれの中1息子の3人家族。家族全員で日本に帰化したいが、法務省に提出する書類の一つ、「帰化の動機書」の書き方を教えて欲しい。
対処タイショ 本人及び家族の「帰化の動機」「来日動機」、「来日後の経過」、「現在の生活状況」等を詳しく聞き取り“模範解答”を作成。
事例038ジレイ 038 日本人に戻りたい(サンパウロ州サンパウロ市、男性70歳)
相談ソウダン 元日本人で30年前に仕事の都合でブラジルに帰化した。仕事はもう息子たちに譲ったから日本人に戻りたい。駐ブラジル日本領事館に相談したが難しい。自分のような元日本人は少なくないので皆で帰化運動を起こしたい。
対処タイショ ブラジルに帰化し、自動的に日本国籍を喪失した人が、帰化申請をする場合は、外国人が取得する場合とほぼ同じ手続を要する。
「住所要件」が外国人の場合は手続時において在日期間5年の実績を必要とするが、元日本人ならば1年程度に緩和されている。
その他の要件としては、「生計要件(独立できる、あるいは同居する人と合わせて収支バランスが取れる、資産がある)」、「素行要件(日本の法律を犯してない)」、「日本語要件(会話がある程度できて小学校低学年レベルのひらがな・カタカナ・簡単な漢字の読み書きできる)」。
これらの要件がクリアできるならば住所地を管轄する法務局に予約して出頭・相談の上、必要書類を整えて申請する。
事例039ジレイ 039 年金受給資格(サンパウロ州サンパウロ市、男性72歳)
相談ソウダン ブラジル在住日本人。移住前10年間、移住後5年間日本の年金加入歴がある。日本の年金をもらえるか。
対処タイショ 日本の年金受給資格を取得するには25年の加入期間が必要。ただし、日本に滞在しなかった期間があれば、その期間を「空期間」として通算することができる。空期間を証明するものがあればよい。例えば戸籍の付票、パスポートの写し、ブラジル政府が交付する移住証明書、ブラジルの日本領事館が交付する在留証明書。いずれかがあれば本人が出頭するか、代理人に依頼して手続が可能。
 ブラジルに帰化していれば、帰化以前が空期間の対象。
事例040ジレイ 040  認知を求める(神奈川県川崎市、女性17歳)
相談ソウダン 妊娠中だが、相手の日本人男性が結婚する気はないから産まないでくれという。必ず産むつもり。
対処タイショ 男性に認知させ将来養育費を払わせる必要がある。相手の住所地を管轄する家庭裁判所に自分で認知調停を申立てればよいが、弁護士を紹介。
 念のためDNA鑑定に備え男性の下着などを保管しておくようアドバイス。
事例041ジレイ 041 難しい外国人同士の離婚(埼玉県本庄市、女性26歳)
相談ソウダン ブラジルで離婚歴があり、母と子供1人をブラジルに残して来日。日本でペルー人男性と結婚、子供生まれそれぞれの国の領事館に届けている。夫婦仲が悪くなり、ある日帰宅すると、夫が子供を連れて荷物とともにアパートから消えていた。子供連れ戻し、離婚して子供と一緒にブラジルに帰りたい。
対処タイショ 夫と子供の行き先を探し、子供を連れ戻すことが先決。
夫が勤めていた派遣会社の同僚から2人が千葉県千葉市にいることが判明。千葉の家庭裁判所で調停を申立てたところ夫から連絡があり、「調停には応じないが子供に会わせる」と約束。現在も離婚協議中。
事例042ジレイ 042 多重債務(神奈川県海老名市、女性45歳)
相談ソウダン 家族が多く生活費が不足、サラ金から金を借り過ぎて払えなくなった。
対処タイショ 自分で自己破産という手続を行い、返済を免除してもらう方法があり、地元の相談会を紹介(通訳と一緒に行けば書類作成に協力してもらえる)。 
事例043ジレイ 043 住宅ローン等多重債務(岐阜県美濃加茂市、男性37歳)
相談ソウダン クビになり住宅ローンとクレジット会社2社への支払いができず督促状などをもらっていたが放置していたところ1社からから裁判を起こされた。現在は働いている。
対処タイショ 書類を見ると、初回裁判期日は1週間後。自己破産手続により住宅を手放さずにクレジット会社への支払いを免除してもらう方法があるので即刻地元弁護士を紹介。
事例044ジレイ 044 買ったばかりの中古車が故障(静岡県掛川市、男性29歳)
相談ソウダン 販売店の社長に修理を依頼したが応じてくれない。
対処タイショ 掛川警察署に相談。中古車を販売するためには警察署の許可を得ているはずであるから許可の有無にかかわらず社長は警察に弱い。「警察に相談中」と言わせたら直ちに故障した車を引き取り代金が返還された。
事例045ジレイ 045 消えた遺体探し(大阪府大阪市、女性46歳)
相談ソウダン 地元警察署からの深夜2時頃の電話相談。ブラジル人女性から通訳を通して電話があり、入院中の夫が死亡、遺体を愛人(ブラジル人女性)が引き取ってしまったため、遺体がどこにあるのか分からない。探して欲しいという相談を受け困っている。本人はTRABRASの電話番号をもっていたので連絡した。
対処タイショ 半狂乱の本人の話によると夫が死亡したことを知ったのは深夜1時頃。病院に問い合わせると既に遺体は愛人が引き取った後だった。
 死亡時、病院が本人(妻)に連絡が取れなかったため、付き添っていた「身内と称する」愛人に遺体を引き取ってもらったらしい。
 病院の電話番号を聞き出し、事情を説明して遺体を搬出した葬儀関係業者の連絡先を確認、遺体が愛人宅にあることを突き止め本人に連絡。
事例046ジレイ 046 不法滞在(群馬県大田原市、非日系女性57歳)
相談ソウダン 日系人の夫に愛人ができたため離婚話し持ち出したら暴力を振るわれた。恐くて娘と逃げ、隠れて過ごしているうちに在留資格の更新機会を失い、10年以上も不法滞在。届け出ると入管に捕まって強制送還されるのが恐い。
対処タイショ 入管に出頭申告し、事情を正直に述べ、日本に残りたいと言えば、調査が開始され、在留資格認否の審判が下される。その様な事情であれば認められる可能性がある。出頭時に拘留され強制送還されることは先ずないとアドバイス。


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