島田戴造 癒しの美術館(No138 三春の滝桜)

 春分の日」を境に春めいてきました。所によっては桜が咲き始めました。数年前に会津で見ることができた「三春の滝桜」をやっと絵にすることができました。先日の教室展で披露しました。さて、桜といえば高校時代に国語の教科書で出逢った三好達治の詩「甃(いし)のうへ」を絵にしたくて背景の寺を今も探し続けていますが今年こそ出会えそうな気がします。
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「甃(いし)のうへ」
  三好達治 処女詩集「測量船」より

あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音〔あしおと〕空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳〔かげ〕りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍〔いらか〕みどりにうるほひ
廂〔ひさし〕々に
風鐸〔ふうたく〕のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃〔いし〕のうへ

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日本の美の極致は「もののあはれ」だと思います。「無常観」出発点であり到達点でもあります。仏教の原点でもあrます。73歳の今、振り返ってみれば、それは同時に私の原点でもあったように思います。

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