呑気な商売

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私に商才がない証しでしょうか。呑気な商売をしている人に惹かれます。「利益至上主義」の波が押し寄せていないブラジル北東部(ノルデステ)は「呑気な商売」の宝庫です。
ヒトよりハトの方が多い田舎の広場。手作りの屋台を引いて駄菓子やタバコを売ったり、トウモロコシを焼いたり煮たりして売ったり。もちろん、ブラジルに限らず途上国ではよく目にする風景です。

 

 では、ブラジルらしい呑気な商売とは何でしょうか。私は「ビーチタオル売り」を挙げたいと思います。年中高温で雨の少ないノルデステはいつでも海水浴シーズン。町の広場に堂々と吊るして展示・販売しています。青空の下、広々とスペースを使って。さぞや気持ちの良いことでしょう。場所代などは恐らく払っていないことでしょう。ハトのフンで汚れるかも、強い日差しでプリントが色褪せるかも、トイレに行っている隙に盗まれるかも、なんていう“些細なこと”など気にしていないのでしょう。

 

 それでいったい一日何枚売れるの?と考えてはいけないのだと思います。気だるい街にカラフルな色彩を与えたし、タオルが雨に濡れなかっただけでラッキー(そもそも半乾燥地帯なのでほとんど雨は降らないのですが)。それだけでいいんです。

 

(2013年10月 リオグランデドノルテ州 ナタル市にて 小林大祐)

 

 

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