「デカセギ支援」と「日伯学園建設支援」活動報告
(2011.5.22日本学生海外移住連盟OB会発足大会にて報告)
●特定非営利活動法人NGOブラジル人労働者支援センター紹介
◆活動報告その1「デカセギ(在日ブラジル人等)支援」
1 活動内容
①労働問題(解雇、労災、有給休暇、残業割増、寮立退き、セクハラ等)
②日常生活問題(自己破産、交通事故、離婚、子供の虐め、医療ミス、尋ね人、会社設立、
金融機関融資取付等)
③→活動実績(ホームページ「解決事例100(日本語版・ポルトガル語版)」参照)
2 東日本大震災発生後の活動内容の変化
①東北地方の工場操業停止の余波(各地のデカセギ派遣先下請業者の操業停止、
雇用主のデカセギに対する休業手当・休業補償等不払い)
②デカセギの被災地ボランティア活動支援(行き先探し、カンパ等)
・福島県いわき市「瓦礫運び」
・宮城県石巻市「路面清掃、被災者癒しの野点」
◆活動報告その2 「日伯学園建設支援(ブラジル日系社会の悲願)」
1 学園建設の目的(日本文化の普及と後世への継承
→(ホームページ「日伯教育機構(サンパウロ人文研宮尾進論文「日伯学園建設こそ・・・」)」参照)
2 ブラジル発展への日本移民等の多大な貢献
①農業(ジュート、胡椒、セラード開発、森林農業、コチア産業組合活動)
* ルーラ大統領(当時)
日本人移住者を特別表彰式典で絶賛。「熱帯雨林の中で森を破壊せずに持続可能な農業をあみだした、これは日本人だからできた」と居並ぶ政府高官たちの前で。
②鉄鋼(ウジミナス)、造船(イシブラス)
3 貢献の元にある日本文化(日本精神)の特質
①勤勉、誠実、協調性、組織力、団結力、科学性合理性、努力、執念
②信用(日系人の代名詞:「保証付き(ガランチード)」)
③東日本大震災のグローボTV(ブラジル最大のTV局)の被災地取材
・被災者の避難態度を絶賛
・避難所でボランティア中のデカセギが紛失した財布が日本人の手によって無事デカセギに届けられたことを“奇跡”として紹介
4 日本の伝統文化(華道、書道、折り紙、アニメ、柔道、剣道、運動会等)
5 日系社会の現状と危機感
①移民(日本人一世)1万人、日系人150万人(五世・六世も)、混血化
②戦後日系社会(日本文化、日本語)の急激衰退(伯国学者)
6 日本文化の普及と後世への継承のための教育機関建設
①目的(ブラジル人に対する日本文化普及)
②日伯学園建設
7 ブラジルのコレジオ(小・中・高校)の現状
①日系コレジオ(日本語科を有するブラジル公認学校 日系人学校)
◇アルモニア学園
◇赤間学院
◇大志万・松柏学園
・移民創設、数十年の歴史、生徒数300~800人、日本の支援なし
②ヨーロッパ系優良コレジオ
ドイツ(ポルトセグーロ、1位、130年)、イタリア(ダンテ8位)、スペイン(セルバンテス、7位、30年)、
その他イスラエル系 ( *順位、校数・生徒数、創立後の年数、バイリンガル)
③韓伯学院(数年前移民6万人、移住歴約35年、移民募金300万米ドル、政府300万米ドル、
バイリンガル、テコンドー、韓国舞踊等)
④各国政府・企業の母国系コレジオに対する多大な資金等援助
8 外国と日本の「母国文化の普及努力比較」
①各国政府等支援金規模は日本(国際交流基金)の数倍・数十倍
②イギリス(British Councilによる文化普及センター・領事館同居、サンパウロ内10校以上)、フランス(Alianca Francesa)、ドイツ官民機関
③英仏はブラジル移民無し(自国文化の普及は国益と認識、植民地の経験)
④日本(国益意識薄弱、普及不得手、移民史料館は予算不足で白蟻被害)
9 日伯学園建設推進組織「非営利法人日伯教育機構」設立(サンパウロ)
①日伯学園(対象は日系・非日系問わず、幼少~青年期のブラジル人)
・校風(日系の優れた文化・精神の涵養)
・外国系学園を凌駕する初級・中級より始まる一貫校・一流校
・既存日系7コレジオの育成強化・発展・モデル校化、各地に新設
②日本の支援不可欠(日本語教師の派遣、カリキュラム、教材、資金援助)
③日本の支援団体
・社団法人日本ブラジル中央協会 ( http://www.nipo-brasil.org )
・特定非営利法人NGOブラジル人労働者支援センター(ONG Trabras)
10 日伯国際大学建設構想(検討委員会発足・活動中、具体化時点で協力)
11 日本海外学生移住連盟(学移連)OB会の支援重要
①学移連第9期委員長富田博義活動中(日伯教育機構会員、在サンパウロ)
②学移連OB会支援を期待(同会、在日・在伯OB等の個人会員加入等)
(スピーチ&レジメ加藤仁紀理事長、スライド編集岡本健一理事) (参考)大会プログラム