田舎者の野良着姿で踊って楽しむ6月の聖人祭(フェスタ・ジュニーナ)がサッカーW杯の応援騒ぎと平行して州内各地で行われています。
この時期は季節的には“収穫祭”のお祝いも兼ねているのですが、当州内陸部
は今年旱魃で穀物等の生産が「ほぼ壊滅」という相当悲劇的な状況。でもここまで歓喜できるのはやはり国民性で
しょうか。
大統領も首都ブラジリアの公邸で閣僚らを集めて盛大な6月祭のイベントを開催しました。写真はそのときの招待状です。ハート型の招待状の中で踊るポーズの大統領夫妻。なにかとイベント事が多いブラジルでは招待状のデザイン、その印刷のスタイルが非常に多彩かつ趣向を凝らしていているのでコレクションしたいくらいですが、特に大統領からの招待状などは垂涎の一枚です。今回のは特に凝った作りものでないですが、6月祭は本来農村の大衆のお祭り。それを意識してあえて安っぽく仕上げているのではと思います。
このイベントでは招待客の閣僚らも田舎者の格好をしてくることが“ドレスコード”になっていたそうです。欧米で政治家・官僚の宴といったらスーツ姿でフォーマルに着飾って、さしずめ舞踏会や晩餐会でも開かれるところでしょうが、どんなときも堅苦しく気取らないのがブラジル流。そしてブラジルはまだまだ「世界の田舎」なのかもしれません。そこで思い出したのが次の一句。
ブラジルは世界の田舎 むかご飯 佐藤念腹*
* 高浜虚子の弟子でブラジルに俳句を広めた人物
* 零余子飯(むかごめし)は晩秋・生活の季語ですので、季節外れですが。