ユニクロ・サンパウロ進出! 消費文化差対策は?

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日本でほとんど見かけなくてブラジルではそこかしこで見かけるもの――。先月末に日本に一時帰国する機会があった際、ふと思いついたのは、「ゴージャスなパーティー着を売っている店」でした。
確かに日本も冠婚葬祭のたぐいは盛んですが、ブラジルは根っからのパーティー(フェスタ)好きの国です。ブラジルに住んだことのある方ならうなずかれると思いますが、様々な場所に大勢のお客さんを招待したり、あるいは招待されたりといった機会が大変多くあります。パーティー文化は階層を問わないため、ブラジル人はたとえ貧しくともパーティー着だけは複数所有しているのではないでしょうか。

 自宅アパートのそばに昼間見ると粗末な風情のパーティー会場があります。それがパーティーの夜になると空気が一変。芸能誌から抜け出してきたような格好で妍を競いあう人々でいっぱいになり、唖然とさせられます。ゴージャスな光景を横目に自宅に帰って自分のクローゼットをまじまじ見てみると、そこにはありきたりな普段着しかかかっていません。彼我の差はいったいなんでしょうか。

  パリコレクションで活躍している新進気鋭のブラジル人デザイナーがいます。このデザイナーは今度サンパウロでも作品を発表し販売していくそうですが、ブラジルではパーティー着に限定した展開を狙っていると言います。その理由について最近のフォーリャ紙でこうコメントしていました。
「ブラジルの女性は地下鉄に乗らない。所有品は車内に置いていくしから車が彼女たちの小室になっている。日常生活がないから普段着なんて必要ない。ポケットさえ要らない」
このデザイナーの念頭にあるブラジル人女性は明らかにハイクラスであることは間違いありませんが、そういう女性の数が日本に比べて圧倒的に多いことは確かで、それが階級社会の現実。高価なブランドの洋服を着ている女性でも日本では電車やバスを移動の足として利用していると知ったらブラジルのこの手のクラスの女性は驚くことでしょう。

  とまれ、ブラジル人は階層の下から上までパーティー着のニーズが高いことが分かります。ユニクロがサンパウロに進出するそうです。ブラジルは欧米とはまた違う消費文化あると実感させられるだけに、ユニクロはこの現実をどう捉え解釈してどんな商品展開を見せてくれるでしょうか。豪華で派手で非実用的―。そんなユニクロも見てみたい気がします。(写真:ミスブラジルのコンテストではパーティー着の着こなしも審査対象となる)

2012年8月20日 リオグランデドノルテ州ナタル市 小林大祐

 
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