ルーラ大統領復活か

alt相応のお金とコネがあればの話ですが、ガンと診断された身内や知人がいた場合(もちろん自分もですが)、ブラジルではサンパウロ市のシリア・レバノン病院で治療を受けるのが得策であると言えます。
同病院はブラジルでガンと診断された政治家・芸能人ら著名人が必ずといっていいほど入院する先です。サンパウロ市にはポルトガル系、ドイツ系、ユダヤ系、日系などにルーツを持つ病院がそれぞれ存在していますが、ガン治療に関してはシリア・レバノン系の医療体制のレベルが高いようです。
ジウマ大統領は2009年に患ったガンをこの病院で克服しています。また、ガン闘病中のベネズエラのチャベス大統領も近くここで検査を受けるのではないかと噂されています。さらに昨年10月に咽頭ガンと診断され同病院に入院中のルーラ前大統領もいます。一時はかなり進行していたため自慢のバリトンボイスを失うのではないかと心配されましたが、ここにきて「腫瘍が消えた」との報道がありました。
 さて、そうした闘病に関する話題もあり、離職後も依然として大きな注目を集めているルーラ前大統領ですが、その根強い人気を裏付けるデータがまた明らかになりました。2014年大統領選に係る最新の世論調査で、与党・労働者党(PT) を代表して出馬する大統領候補としてルーラ前大統領がふさわしいと考える人の割合が57%と、現職ジウマ大統領の32%を大きく上回りました。もっともジウマ大統領への国民支持率は高く最近7割前後で推移しているとされ、政権への信頼度も徐々に増しています。そうした状況下でのこの調査結果はルーラ人気がいかに不動であるかを示すものであったと言えます。
 そんな最中、ルーラ前大統領の功績をたたえるミュージアム、及び記念館の建設計画が進められています。前者は「労働・労働者ミュージアム」と名づけられ、サンベルナルドドカンポ市に。後者は「デモクラシー記念館」の名でサンパウロ市の旧市街に設置される予定です。いずれも「ルーラ」の名前は冠していませんが、展示内容の核のひとつとなるのは前大統領の半生で、“個人”の足跡や功績が色濃く反映されたものになる模様です。
建設費用はミュージアムが1,800万レアル(1レアル=約44円)でそのうち1,400万レアルが国庫から支出され、残りは地元市政府が負担。一方の記念館の方は4,000万~6,000万レアル相当の規模のプロジェクトで、インスティテュート・ルーラの代表である日系のパウロ・オカモト氏の主導の元、民間・公共を問わず資金調達が行われると報じられています。いずれにしましても、ガン克服後に政界復帰となれば2014年大統領選の大きな宣伝材料になることは間違いないでしょう。

2012年4月22日 小林大祐

 
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