ペレとニーマイヤー

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サッカーの王様ペレが先月70歳の誕生日を迎えました。来年にはサントス市のペレ博物館の前に大きな記念モニュメントが建てられるそうです。そのデザインを手がけるのが首都ブラジリアにあるユネスコ世界遺産建築群の設計などで知られるオスカー・ニーマイヤー。来月で103歳ながらまだまだ現役です。ブラジルを代表する2人のイコンの御年と活躍ぶりに敬服しながら、私事で大変恐縮ですが、私も今月15日で齢36となりました。ペレの半分、ニーマイヤーの3分の1しか生きていない青二才なわけです。

 

ペレの36歳のときが気になったので調べてみました。私が生まれた1974年。その年、ペレは18年間プレーした古巣サントスを離れ、アメリカ・ニューヨークのクラブチーム・コスモスに移籍しています。では同じ時期のニーマイヤーはどうだったでしょうか? バリバリの共産主義者であるがゆえ、1960年の首都移転の立役者ながら、その後勃発した軍事革命により樹立された軍事政権下では迫害され、フランス・パリに活動の拠点を移しています(1966年から)。二人とも新天地で人生の第二ステージに立っていたのだと分かりました。

 

偉人と自分の境遇と比べるのは“お門違い”かもしれません。ですが、そんな無謀でもときに良い教訓をもたらしてくれますので、年1度の“戯れ”としてこうした調べごとするようになりました。また、同じ誕生日である坂本龍馬の享年を安穏と越えてしまってからというものは、志半ばの31歳で逝ってしまった龍馬の生き様と自分のそれを黙して比べしばし嘆息することも習慣になりました。

 

さて、日本人移民の方に目を移しますと、やはりいまも現役でブラジル現代美術界の第一線で活躍されている画家の大竹富江さんは今月で97歳になられます。それを記念して、サンパウロ市内の自身の名前を冠した文化センターでは新作25点の絵画を展示する展覧会が22日から開かれます。先日有力紙フォーリャ・デ・サンパウロ紙で「Tomie Ohtake vai comemorar aniversário de 97 anos no show de Paul McCartney」という記事も見かけました。“トミエオ・オタケは97歳の誕生日をポール・マッカートニーのコンサートで祝う”というものです。ポールがブラジル初公演に来ている機会を利用するようです。

私は思いました。61年後に生きているかも定かではない、いや、可能性は極めて低い、さらにその日をロックコンサートの会場で迎え祝うことなどできるだろうか、と。

 

筆者: 小林大祐

 
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